□■TERRANIGMA>>Chapter3>>Page1■□


第三章:天才の復活

 気が付くと、ベッドの上。普通の家。…ベッドサイドには人間が居る。久し振りの光景。
 俺が目覚めたのに気付いたか、傍にいた子がびっくりする。

「あ、あなた…起きたのね!クマリ様に報告しなきゃ」
 …ああ、人間の言葉だ。
「あなたは3年も眠ってたのよ」
 そんなに経ったのか。でも俺は地表を復興させているのだから、彼ら人間も復興させた存在であるはず。「3年」と言う時間軸は合うのだろうか。彼らを復興させて3年後と言う事でいいのだろうか。それとも…ええいごたごた考えるのは止めた。
 別に部屋に鍵が掛かっている訳でもない。今まで俺を看病していたらしい女の子は「クマリ様」とやらに報告するために部屋を飛び出してしまった。俺もこの辺を散策させて貰おう。



 俺が居た建物は何層もの洞窟のような構成になっている。建物の外に出ると「ラサの村」と言うポップアップが。光景としてはチベットか。…ここはエクルマータの近くなのかな。やっぱり。
 建物の外には牛が飼われている。どれ、話し掛けてやれ。

「もー――――――――――――――」

 ………は?

 …俺、まさか………。



 建物の中、一番奥まった所にある広い部屋。
「――やあ、起きたんだね。アーク」
 一目見て偉そうな立場にあるんだろうな、みたいな場所に居る少年。彼がクマリなのか。
「キミはもう動物達とは話せなくなってしまったけれど、これからは僕達人間が仲間だよ」
 …やっぱりそうなのか。もう俺は動物や鳥や植物とは喋れなくなってしまったのか。
「キミは何処にも属さない存在。だからこの地表で重要なんだ」
 何を言っているのやら。 起きたばかりでまだまだ頭が混乱しているようだ。



 ラサの村の人々に色々と話を聞いてみる。
 どうやらクマリは生神として人々に崇められているらしい。何でも輪廻転生を経て「彼」と言う存在は成っているのだと。つまり「クマリ」とは、ひとつの魂が時代ごとにいくつもの肉体を通過しているモノなのだと…それが本当なのかは判らないけど。
 しかし本当にチベット仏教だなあ。この村の考え方って。



 再びクマリの部屋に戻ると、老人が居た。
「彼はメイホウと言うんだ。世界のあちこちを旅していて、色々な話を僕達に聞かせてくれるんだ」
 メイホウ自身が言うには、彼は先代クマリの弟子だったそうだ。

「お客人も遠くから来られた様子じゃな。暫く休んでいきなされ」
 いやもう3年間休んでたみたいなんだけど。 と、何やらメイホウは困った様子。どうしたの?



「わしには孫娘が居るんじゃが…探してきてくれんじゃろうか」
 は?
「その子――メイリンは、この村の北にあるゴビ砂漠に居ると思う」
 場所まで判ってるならあんたが連れ戻せばいいじゃないか。あんたが無理なら赤の他人である俺はもっと無理だろ?
「いや…わしでは近くに行く事すら無理なんじゃよ」
 どう言う事?
「メイリンは…幻を操る事が出来るんじゃ。わしに対しては幻を使ってくるので近くには寄る事が出来ん」
 …生神が居るくらいなのだから、幻術使いがいても全くおかしい話じゃないか。

「あの子は可哀相な子なんじゃ。昔は親とゴビ砂漠にあったロウランと言う街に住んでおったのじゃが…」
 メイホウは哀しそうに話した。どうやらそのロウランは戦で滅んでしまったらしい。そして、メイリンの両親もその戦争で死んでしまったようだ。



「アークも良かったらメイホウの力になってくれるとありがたいな」
 クマリは笑って言う。
 そうだな。どうせ暇だし。3年間眠りっ放しで勘もまだ戻ってないし。女の子連れ戻すだけなんだから、そんなに大した事じゃないだろ。
 そう思って、回復アイテムなどを補充してからラサの村を出た。



 ラサの村を出ると、そこはエクルマータの北に位置すると判る。
 …エクルマータを覗いてみるが、マップの大部分が雪に埋もれてしまっているらしく、2画面程度しか移動する事が出来なかった。…カモシカはどうなったんだろう。クマリが言う時間軸が一緒だと仮定すると、3年前か…。

 北の方の川、黄河流域には以前は掛かっていなかった橋が掛かっている。向こう側に渡れる。渡った先にはすぐに砂漠らしきグラフィックが。ポップアップは「ゴビ砂漠」。
 さあここか。メイリンは何処に居るのやら。とりあえず、入ってみよう。


□■TERRANIGMA>>Chapter3■□