□■TERRANIGMA>>Chapter1>>Page3■□


>>Page2

 さて、試練の塔5。最後の塔になるはず。今まで通り終わらせてしまおう。
 塔の中に入ると…いきなり動けない。番人が入り口に立っている。と、何か撃ってきた!
 しかし。「エルのマントが跳ね返した!」そんなメッセージが表示されて、番人の方に光球は跳ね返る。そして番人は消える。
 …と言う事は、エルにマントを織って貰ってなかったら…俺どうなってたんだ?ともかく動けるようになったので、中に入る。

 中は小部屋が1階毎にあるだけ。その中に雑魚敵が2体ずつ。戦うのも面倒だし、無視して通過する階もある。昇っていけば…番人が待っていた。
「よくぞ来たアーク。さあ奥へ進むがいい」
 お前相変わらず偉そうだな。さあ、これで終わりかな。



 ところが、扉の向こうにはまだ部屋があった。暗い、長い廊下みたいな通路。訳も判らず前に進んでいくと…ロウソクがあったのか。廊下の両脇に燭台が規則的に配置されていて、そこに立っているろうそくに炎が宿る。
 そして、前方には、何かが出現する。
 鋏と棘付き尻尾を持つ甲殻類めいた怪物…サソリが原型か?こいつがこの塔の試練なのか。しかし最後の塔になっていきなりマジもんのボスキャラみたいなもんと戦う羽目になってしまったか。



 そのでかい鋏を振り回して俺を殴ろうとしてくる。…うわあ燭台なぎ払うなよ。暗くなっちまうじゃないか。こんなもんガード出来る訳もないのでひたすら回避。懐に潜り込めやしない。当たり判定は…鋏にもあるな。
 そうだ、魔法を使ってみよう。こう言う時に使わなければ何時使うんだ、と…選択。火のリング発動ー!炎が一直線にサソリ目掛けて放たれる。…放射時間長いな。火炎放射器みたいだ。お、片腕壊れた。
 もう1個ある魔法で、もう片腕も撃破。すると棘付き尻尾を繰り出してくる。棘の部分がびりびり電流が走っているかのような描写だ。棘刺さらなくても、当てられるだけでも痛そうだなあ。
 腕がなくなったから、次は何処を殴ればいいのかな。あの棘だけはごめんだけど…。

 腕で殴られる可能性がなくなったので、俺はサソリに歩み寄った。頭を殴ってみる。…当たり判定あるな。丁度いい事にこいつの頭の隣付近は死角になっているらしく、全然攻撃が来ない。何だ、図体でかいだけで抜けてるな。心置きなくAボタン連打して差し上げる。

 ある程度殴った所でサソリが爆発。ボスキャラの最期の典型的描写。ついでに俺もレベルアップ。爆発するボスキャラをバックにレベルアップのアクションを見るのは結構ナイスな感じだ。

「アークよ、良くぞ試練に耐えた…」
 塔の番人の声がする。と言う事は、やっぱりこれで終わっていいんだな?これで試練の塔は終わりだな?



 いつもの部屋の中に入る。
「この日地表にオーストラリア大陸が姿を現した…」
 やはり5大陸復興か。しかしこれに何の意味があるのだろう?そもそも試練の塔って…何だったんだ?大陸の復興と村人の異変と…俺が箱を開けた事と。どう関係するってんだ。
 訳も判らないが…事は終わった。村へ帰ろう。



 クリスタルホルムに戻る。村人は全員復帰しているようだ。そして相も変わらず自分達が凍り付いていた事なぞ知らない。…ま、その方が俺としても楽だけど。何故凍ったか説明するとなると、俺が開かずの間を開けちまった事から説明しなきゃなんねーし。

 長老に会いに行く。試練の塔なんてもんに俺をけしかけたのはじじいだし、報告しないとな。
「よくぞ大業を成し遂げた」
 いや、あんたがこれで村人達を救えるからって言ったから…。
「お前に見せたいものがある。村の外へ来るがいい」
 …は?



 どうやら村の右方向に何かが出現したらしい。さっきまでは何もなかったぞ多分。
 長老を追って村の外に出ると…村の右側、フィールドに何か新しいポイントが出来ている。入れるし。場面転換するし。

 そこには、地面に大きな穴が開いている。何だこりゃ。
「この穴は地表に続いている」
 長老は語り始める。…地表?試練の塔をクリアする度に大陸が出現しているという、あれ?
「地表は、海と呼ばれる大きな水溜りが存在し、緑に溢れた素晴らしい場所であったらしい。しかしある時、地表の全ては死に絶えたそうじゃ」
 つまり、大陸までもが消え去ったと?俺が試練の塔をクリアする度にその大陸が戻っていたと言う事か?…そもそも、何で「試練の塔」に地表の大陸が関連してる訳?
「わしは地表を元通りにしてクリスタルホルムの人々をそこに住まわせたいのじゃ」
 へー、じじいって結構な事考えてるんだなあ。…って何だその目は。
「お前にその手伝いをして貰いたいのじゃ。つまり、お前に地表を復興して貰いたい」

 Σ( ̄□ ̄;) …いや、お約束な展開になりつつあるとは判ってたけど。判ったよ。ちょっと行ってくるよ。大陸は復興している訳だから、後はどうにでもなるさ。
「…この穴に飛び込むと、地表を復興させるまで、ここには戻ってこれまい。…やり残した事はないか?」
 ………そんな長旅になるのか。そうか、行き先は「地表」だもんな。こことは全く勝手が違う、別世界だもんな。うん。………。

 …エルに、会ってこよう。



 クリスタルホルムに取って返す。機織小屋へ直行。エルの部屋の扉を開けようとするが。
「アーク、入ってこないで!」
 …うわ、びっくりした! てゆーか何故に俺だと判る。俺はその強い拒絶の声に扉を開ける手が止まる。
 エルは扉越しに、声を掛けてくる。

「…遠くへ行ってしまうのね」
 ……うん、まあ。でも終わり次第帰ってくるよ。
「…アークを笑顔で送り出さなきゃいけないって判ってるの。でも涙が出てくるの。でも…アークはきっと元気で戻ってきてくれる。だから…少しの間、さようなら」

 少しの間、さようなら。
 でも、きっとすぐに戻ってくるから。その時は笑顔で出迎えてくれよな。



 後は回復アイテムの類を買い足して…そうそう、あの「5大陸を復興させてから来い」とか言ってた小部屋もやっつけておくか。



 試練の塔の麓にある、小部屋の敵を一掃する。レベルも上がっていたからあの時よりは楽だった。そしたら…あの扉は試練の塔のあの部屋と同じような奴。中に入ると、やはり同じような部屋。
「この日地表にポリネシア諸島が姿を現した…」
 …大陸じゃないけど、復興するポイントがあったのか。こんなの気付かないプレイヤーもいるだろうに(プレイヤー的発言)。

 さて、これで気は済んだ。穴へ向かおう。



 長老は穴の縁で待っていた。いいぜじいさん。行ってくる。
「最後に伝えておこう。そのヤリは地上ではお前の体力を回復してくれない。だから、回復は早めに行う事じゃ」
 成程ね。それじゃあこのヤリは只の武器でしかないって事か。回復アイテムならさっき買い込んだし、大丈夫だろ。

 じいさんの台詞が途切れた。もう、俺に言っておく事はないか。…じいさんにも世話になったな。てこんな事言ってたらまるで今生の別れみたいだ。エルと「元気で帰ってくる」と約束したってのに。
 色々考えてたら、行きたくなくなってしまいそうだ。…良し。
 穴の縁で靴をとんとんと鳴らして。
 …さあ、行くか。
 俺は、勢い良く、穴に飛び込んだ。

 そのまま、どこまでも、どこまでも、落下していく――。


□■TERRANIGMA>>Chapter1■□