「カミヤドリ」1巻感想
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第2話「万能薬 Nostrum」

 カミヤドリの初見はこの第2話立ち読みからです。2話以降は33Pだからまあ、普通の月刊連載のページ数だよな。流石に1話の60P以上は何度も出来るもんではないか。

 今回の話で巫女や右腕…特殊能力を持つ公安の皆様は感染者である事が判って来ました。カミヤドリの力を共棲させる事により、カミヤドリを倒すのだと。とんでもない手段ですな。初めにやった奴は誰なんだか。
 …と思ったら、今回登場してきたロジェク人の爺さんが「カミヤドリに対抗する術を初めて発見したのはロジェク人だ」との事。
 彼らはまさか「焼き払う」方法を見出した訳じゃなかろう。まあテスタの異端達の疫病殲滅の方法が火葬であり、あの国の人間達には遺体を焼くことが信じられん行為であったりしたからな。もしかしたらこのシティでの常識でも焼く事=浄化ではなかったのかもしれないけど…。
 普通に考えたら「カミヤドリの力を共棲させる事」なのだと思われる。カミヤドリを殺すためにカミヤドリの力を借りる…これこそ「とんでもない」事だろう。何せ共棲失敗したら即感染者になってしまうのだろうし。

 何にせよロジェク人がカミヤドリ対抗法を生み出した割に、現在の公安要職にはロジェク人の姿はないようだ。彼らが対抗法を生み出してからかなりの時間が経ているのだろうか。ロジェク人から技術委譲を受け、その技術が浸透する程の時が。
 「この国の人間にとってロジェクは侵略者じゃからな」…てのも、気になる一言だ。侵略者なのに現在は殆ど姿を見かけない民族になってしまったのか。侵略後にロジェクがシティの民族に戦争か何かに負けて支配層が変わったのだろうけど、殆どの連中は本国に戻った?
 でも「元来平和主義者」なのに侵略したのか…どの口から言うって感じだが。何かの目的があって侵略せざるを得なかったのかな。この街にロジェクにとって何か大切な物があったとか。

 アリサとヴィヴィの(色気ない)消毒シャワーシーンあり。と言うかこの漫画、良くヴィヴィが脱ぐ割に全然エロくないもんな。で、ヴィヴィはあまり感情を表さない子ですが、アリサの巨乳には何となく憧れてるんですね。
 薬を貰ったのはジルだけみたいです。ヴィヴィやアリサは薬を必要としてないようで。感染者じゃないんだな。アリサはともかくヴィヴィは右腕みたいな状態ではないくせに、ジルと同じような能力があるんだな。

 今回の仕事は売人の摘発。結局発症したために射殺したんだが。
 「万聖節が近付いているためにさばく薬の量がうなぎのぼりになっている」と売人のボスらしき人間の台詞。前後したジルの台詞なんかでも判るが、どうやら万聖節が近付くと発症者が増える?時間的な問題なのか、それとも万聖節と言う出来事に何らかの要因があるのか。その辺も謎。

 そんな感じで状況説明。ところによりほのぼの。のち殺伐。

update 05/05
第1話「無情 No mercy」

 この作家さんを知ったのは「テスタロト」と言う作品からです。元々伊藤勢ファンと言う事で、氏が連載を持っていた(モンコレ魔獣)コミックドラゴンを定期購読していました。俺にとっては、現在の堤抄子とGファンの状況みたいなもんです。
 雑誌を買い始めると他の漫画にも目を通す事になり、そのうちにテスタが面白くなっていました。この辺はマジスタと同じようなもんか?
 がしかし、「萌え雑誌」と言う雑誌の方針と対立したのか、はたまた物語がスロースターターだった事が災いしたか、テスタは途中であからさまな打ち切りを喰らいます。
 そして、その後少年エースにてこの「カミヤドリ」の連載が始まります。エースは時折立ち読みする位なのでこの漫画は単行本派ですが、楽しみに待っていました。
 以上、コンテンツ立ち上げる度に書くような気がする、「この作品を読んだきっかけ」話終了。

 で、今回の1話です。エース本誌立ち読みは2話からだったんだよな。
 初見感想。「テスタ1話だな」
 救われない話っぷりが正にテスタでした。主人公側が体制側の人間で、その体制を転覆させようとする存在と戦いを行う。その辺も同じで。

 主人公のジラルド(ジル)は公安の人間。このシティには「カミヤドリ」と呼ばれる病が蔓延している。その病は人間を怪物に変貌させる代物で、多分何らかの媒介がある。が、感染者が出た区画を「浄化復元」と称して焼き払う事から、接触感染は確実なんだろうな。
 「カミヤドリ」と直接戦う組織は「特捜」(スカッドラ)と呼ばれる連中で、勿論ジルはこの一員。そして「特捜」の中でも、特殊な戦闘能力を有した人間がいる。それは一握りの存在で「右腕」(ライトアームズ)と呼称される。ジルは「右腕」の数少ない一員でもある。
 しかしジルは更に「左利き」(レフティ)とも呼ばれる。どうやら力を持つ右腕を肝心な時に使わない事から、そんなあだ名がついたらしい。
 …何だかテスタの主人公である異端審問官レオニダスみたいな紹介文だな。

 いつもジルの傍に付き従う少女がいる。褐色の肌の少女。見るからに普通のシティの人間とは違う印象。彼女の名はヴィヴィ。
 しかし彼女はなかなか喋らない。喋るとしても、ジルの台詞をオウム返しにする事が大半である。が、戦闘能力は高いらしく、ジルと同じ形の銃を使う。特捜の仲間達は、彼女を「左利き」の「小道具」と呼んだ。
 …能力は高いらしいが、ジルと同じように的を撃ち抜くのも凄いもんだ。

 今回、発症した女性を射殺したのはヴィヴィ。その女性には男の子と女の子のふたりの子供がいた。
 彼らは感染者に近しい所にいた人間であるために、彼らは寺院に収容される。一定の期間を置いて発症しなければ無事に帰れるようである。我々の世界における、伝染病患者に接触した人間の隔離みたいなもんか。SARS騒動の時に色々ありましたな。
 しかしある晩、妹が発症。「このままでは公安に妹が殺される」と悟った兄は、妹を背負って寺院から逃亡。発症者が出現した事は「巫女」と呼ばれる存在によって即座に察知されるようで、公安も把握。ジルに出動命令が下る。
 ある屋内、ジルは兄弟を発見する。兄はハンマーを振りかぶり、妹は既に発症して建物に同化しつつあった。兄は明らかに妹を殺すつもりでハンマーを手に取っていたようだが、ジルに殴りかかる。
 ジルは彼を、彼らを撃てない。

 立ち尽くすジルの後ろから、ヴィヴィが兄妹を撃った。

 …あらすじにすると、すげー救いようがない話ですな。タイトル通り「無情」。このサイトで取り扱ってる他の漫画とはかなり一線を画していると思われます。
 「こんな辛いだけの人生でも、この幼い少年と少女は、精一杯生きて、死んだ」…この一文がかなりキます。
 ヴィヴィに射殺される刹那の少年の表情。ジルは少年が確かに微笑んだと思った。「多分…ホッとしたんだ。自分の手で殺さずに済んだ、と――」

 キャラが特異過ぎるヴィヴィ、公安の一員でやたらジルに突っかかってくるガトーと言った、恐らくはこれから出張ってくる連中も登場してきます。
 カミヤドリとは何か。感染したら殺すしかないのか。汚染されたら焼くしかないのか。あまりにも殺伐とした対処を取る他ないのか。
 ごみごみとした街。浮浪児が当たり前に歩き回り、埃にまみれ、カミヤドリが蔓延する。しかし何処となく活気は溢れている。魅力的な舞台設定。
 第一話は60P以上。きっちりと描き切っている。雑誌掲載を読んだ人は、続きが楽しみだったのではないかと。それ以降もセンターカラーをちょくちょく貰ってるようだし、扱いいいようですね。コミドラ時代が嘘のようだ。

 角川書店のサイトで1話を20P程度立ち読みできるみたいなんで、ひとまずリンクを貼っておきます。
 ジル、ヴィヴィ、アリサ、ガトーと1話主要キャラが登場し、カミヤドリ発症やカミヤドリとの戦闘、件の兄妹の描写なども含まれています。この辺読んで興味持たれたら、とりあえず1巻買ってみて下さい。

update 04/30


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