「聖戦記 エルナサーガ2」感想/第2巻分
03年1月号〜7月号掲載。基本的に雑誌掲載時の感想。

4757510322聖戦記エルナサーガ2 2巻 (2)
堤 抄子

スクウェア・エニックス 2003-09
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エルナサーガ1.99
 2巻用書き下ろし。ページ数は9P。「ページがかなり余ってしまったので後書き漫画ではなく書き下ろしをつけます」との事だったか。
 
 坂の街で、自転車の荷台からエルナの母がオレンジを何個か落としてしまう。それを通りすがりのヴァルが拾おうとした…と言うのが最初の出会い。
 しかしヴァルはそのまま坂を転がり落ちたんか。この頃からへたれー一直線だな。で、その時にズボン破いてしまって、エルナ父から借りて着替えようとしている場面に、帰宅したエルナが出喰わす。ファーストインプレッションはトランクス男ですかい。

 エルナと仲間の女の子A,Bを連れて遊園地へ遊びにいく。「車持ってる」からアッシー君ですか。便利に使われてるなあ。…本編に出てくる車と同じだな。
 エルナだけではなく、女の子A,Bも結構キッツイ事言ってるから初対面ではなさそうですな。ヴァルも彼女らに対して「あーうるさい、クソガキども…」だし。
 でも、一軒一軒送ってくれるヴァルに対してちゃんとお礼を言う辺り、育ちはいい子達だと思われる。きちんと躾けられている印象。エルナの養父母がきっちりしているから、エルナ自身もそういうちゃんとした子に好感持つような育ちなんだろう。

 そしてふたりきりになった際に出てきた告白。「でも私、ヴァルのそういう所好きだな」…本編以前かららぶらぶマーク確定ですかー!そりゃリョートも入り込めませんな。
 でもまあエルナはまだ女子高生だし、ヴァルは院生だけど野暮ったい人間ですので、恋愛言うてもまだまだおままごと程度の印象ですな。結局ふたりきりで遊びに行く事は全くなさそうでしたし。合掌。

 色々と出てきている伏線整理。
 重要なのが「ヴァルとエルナは幼馴染ではない」と言う事。これは作者が既に明言済み。雑誌掲載時の人物紹介に「幼馴染」と書かれたのをわざわざ訂正していました。
 それでは彼らは何時出会ったのか。この話は本編から何年前なのか。「ア大の学生さん」と言う台詞から、ヴァルが大学生時代と言うのは判るが、果たしてそれは只の大学なのかそれとも院なのか。現在は院生だよなあ。
 エルナの方から手がかりを探ってみると、「数学とか見て貰ったら?」とエルナの家庭教師を依頼するんだが、「数学」って事は中学から言われる表現。本編ではエルナは女子高生。そして遊園地に連れて行って貰う際には「女子こーせーとでーと〜」とエルナに言われている。あの頃にはエルナ達は高校生。最初の出会いからどれ位の時間が経っているかは判らないが、年単位ではなさそうだ。
 それに、この話のエルナと本編エルナの描かれ方があまり変わらないので、本編とこの話はあまり離れてないんだろう。この年頃の女の子の1年はかなりでかいからなーそれに中学生と高校生では容貌が全く変わってしまいそうだし。

第14話「聖鎧の勇者」
 表紙は先代勇者。今まで時折語られてきた勇者の物語はあくまでもエルナ姫の話でしたから、彼に目を向けられるのは初めてですね。聖鎧はグランラスタと読むのか…。綴りが判らん。

 前回出てきた鎧こそが聖鎧。やはりアーサトゥアルからヴァルが発掘したらしい。発掘地点が「地下墓所」と言う事は、勇者の墓に勇者と共に埋葬されていた?
 そもそも勇者の墓は何処にあったんだろう。あの時代の大聖堂にあったのは遺髪だったはず…。「1」の時代に「アーサトゥアルこそが勇者の裔」と言う伝説があったからには、彼がアーサトゥアルの国王になり、そこで没したのか。その辺が全然伝わってないし「1」の時代でも全く語られてないですな。
 スヴァンから少々荒っぽい手段で聖鎧を受け取る修道会の面々。どうもソーロッドの命令に従ってるらしいですが、果たして彼らがヴァルやエルナのためになる事をやってるのかは謎ですな。ソーロッド自身「エルナをエルナスに連れて行くな」と言ってましたし。三つ巴の争いになりそうな予感。
 鎧と剣がどこかに消えて。転送魔法か。しかし「鎧を修復してくれて」って、魔法の鎧を普通の方法で修復しただけなのに大丈夫なんかいな。ちゃんと使えるんだろうか。

 場面は変わってエルナスサイド。エルナお勉強中。流石に王女様の私服はミニスカではいかんかったようだ。ち。今後色々あった末に、前作エルナのように自分で裾カットするのを希望。
 で、前回ここで書いた「聖鎧があるなら闇の姫御子なんか必要ない」と言う疑問をエルナが代弁してくれているのだが、リョートは「さあ?」だけで終了。まだ謎は続くようです。
 鎧が使えない状況に置かれてたのかな?聖盾のように封魔呪で封印されていたとか。って封魔呪関係ない鎧を手に入れるために封魔呪を解かなくてはならないってのは何だかシュールだな。それにそんな鎧を封印しておく理由はない。アーサトゥアルだって国家なのだから、他の国が持たない兵器をみすみす封印するかね。

 この前出てきた男性はやはりエルナの父親にして国王でしたか。予想外したー。
 「戦う必要はない、王位継承のみを考えてくれたらそれでいい」「我々の大切な役目の一つは魔道書を守る事」との事。だとしたら強力な魔法の力は必要なかったような…そういやエルナは独り娘なのか。他に継承者がいないのか。
 「父親が病に臥せっていて、直系が絶えるかもしれない」から、聖修道会は正当な王位継承者であるエルナを確保しようとし、またエルナス側はエルナを守ろうとしてリョートを派遣したと。では何故聖修道会はエルナに王位を継がせたくないのか?それは王室の財産である、王室が守っている魔道書が目的だから…こんな感じになるんですかね。何となく連中の目的が見えてきたかな。
 しかしながら連中は「手に入れた魔道書を使って世の中を乱したい」のか「世の中を乱して魔道書を手に入れたい」のか、どちらが先に来るのかいまいち判り辛かったりします。後者だと只の魔道書コンプリートヲタに思えてしまう。
その目的の示唆は以前エストベリが言った「あんたらが相手にしてるのは神だよ」なのでしょう。聖修道会のトップは「神」と称される存在である、そう言う事なのでしょうか。

 そしてリョート、逆玉を狙う。あ、いや、外れてはないけど。両親公認の仲にステップアップですか。忠誠心と共に恋愛感情も抱いてましたか。
 …エルナにもその気持ちは伝わったよな。これで判ってなかったら前作エルナとどっこいどっこいの鈍さだぞ。

 そして舞踏会。しかし裏ではまた聖修道会が暗躍する。「血の舞踏会ねえ…悪趣味だこと」と思うエストベリ。つまりは聖修道会の魔法使い達が乱入してテロるって事ですか。それともまた違った趣向があるんですか。
 と言うか何故彼が司教様の隣で和んでるんですか。情報屋なんだから別にいなくてもいいだろうに…今回に限ってこの現場にいなきゃいけない理由があるんですか。舞踏会の出席者に知り合いがいるとか?彼の手でないと使えないアイテムがあって、それを襲撃時に使うとか?判らん。

 で、あのへたれ大学院生は自由落下の末にどうなったんだか。リョートは死んだと思ってるっぽいですが。それ故にエルナには「大学に帰った」と嘘をついたようですが。どうも合流には長引きそうですね。

第13話「落下」
 表紙のヴァル、非常に似合わない服装に思えて仕方ないのですが何かのコスプレですか?エルナも大人っぽい格好だしな。

 前回でエルナは撃たれたんですか。全然気付かなかった。目の前で乗務員の首が吹っ飛んだショックで横たわっていたのかと思っていました。むしろヴァルが傷付いていたように見えてました。そのまま竜から落ちてしまいましたし。

 そして「力が欲しいか」とソーロッド。それに対してリョートは救いを求め、ヴァルは助力を求める。結局ソーロッドが選んだのはヴァルの方だった。精霊としては力は貸すがそれ以上の事はしないと言う事ですか。過去にはシャールヴィにどつかれつつも使われてましたが、あれもまた彼としては望む所だったんでしょう。
 そういや「俺がもっと強かったら…」と言う独白はシャールヴィのアンサズ陥落の際とも被るな。そう言う意味ではヴァルの位置はやはりシャールヴィなんでしょうかね。「世界最強の騎士」と「知識は豊富でもへたれな院生」と言う落差はありますが。「信念で勝つ人間の物語を描きたい」とは、エルサガ1完結記念時のとあるインタビューでの作者のコメントですが、正しく今のヴァルの方向性であると思います。

 ソーロッドがヴァルに与える力とは一体何か。普通に考えたら彼は雷精ですからそれに準ずる力でしょうか。しかし彼は剣化しても魔法力を剣に蓄えておく事は出来ませんでしたから、前作の剣は出てこないでしょうし。どうすんだ?
 ヴァルはシャールヴィとは違って普通のへたれな人間ですから、このまま落ちたらまず助からないですよね。だから落ちる中でソーロッドが何かやってくれるんでしょう。来月号でその描写があるのか、すっ飛ばされて謎のまま残るのか。

 意識を失ったエルナの回想。エルナはょぅι゛ょの頃からミニスカですか。萌え。
 …少々方向性を見失いましたすいません。隣国の国王が植物園に視察ですか。こういう事は時折あったんでしょうか。それともあまりない出来事だったんでしょうか。まあまあ仲のいい間柄なら数年毎にはあり得そうですが、近くて遠い国みたいな事になってましたらそうとも言えないか。
 もしちょくちょく視察に来るならば、それにかこつけて「本当のお父様」にエルナを何度も対面させる事も出来る訳で。もっともあんまり重ねていては怪しまれそうですが。せめて遠くからだけでも見せたり見られたりさせたり。
 …そのうちにアーサトゥアルの放送局から「隣国国王陛下がいらっしゃる際には必ず来る一家」として取材を受けそうな気がしてきましたよそんな事していたら。最近多い皇室番組の見過ぎか。

 で、あの「お父さん」ですが、本当にエルナの父親=国王陛下なのかと言う事で。リョートの接し方から言うと目上の相手のようですが、顔が何となくリョートに似てるような気がするのでもしかしたらリョートの父親じゃないかとも勘繰ってしまう訳で。上下関係に厳しい職業に子供が就くと判っている家庭では、両親に対してもまるで血縁関係ではない接し方、まんま上司のように接して育てる事も歴史上ある訳ですから。

 次、スヴァン。彼はてっきり端役で終わると思ったのですが(車に乗って再登場の際も「ラジオ聴いてる役割」だと)、重要な役割を担いそうです。
 と言うかあっさり鎧が出てきてしまった。これは何処から出てきたんだ。アーサトゥアル大学内の遺構から出土したモノならヴァルも持ち出せそうだけどな。
 …ならあの鎧は元々アーサトゥアル城にでも安置されてたのか?いやそうすると前作エルナ必要ないじゃん。推測されている通り「あの鎧を着ていたら普通の人間でも聖剣を振るえる」のなら、エルナを生み出さなくても前作の聖剣は抜けた訳で、アーサトゥアルは世界を脅迫するのにエルナの誕生を待たなくて済んだ訳で。ならアーサトゥアルの人間はその鎧の効果を知らずに保管していたのか、それとも鎧の存在自体を知らなかったのか。そもそもあの鎧はアーサトゥアルになかったのか。色々考えてしまう。
 そういや「修復を頼まれてた」と言う事は、スヴァンも史学系なのかね。

 以上、引きが多い所で今月感想終了。背景やヘリの書き込みが相変わらず容赦ない。本当に月刊連載2本抱えてる作家ですかこの人。

第12話「勇者の正義」
更新準備中。
第11話「力の正邪」
更新準備中。
第10話「暴走」
 更新準備中。
第9話「旅立ち」
 新展開に合わせてカラー。それにしてもカラーの際の背景は写真取り込み臭いので何とかして下さい。普段の白黒時の容赦ない手書き書き込み背景と較べると落差が。

 エルナは友達に連絡した後に、全てのメモリを消去して携帯を捨てる。これで携帯による探知は不可能だし、友達との連絡も不可能に。これで彼女は日常と決別したんだなあと思いました。
 ソーロッドはウサギの振り。そのせいでリョートに「またウサギに話しかけてる…キショーっ、このオタ」と思われるヴァル。
 それはともかく、ウサギソーロッドはエルナに気に入られた様子。それにしても色指定に青の部分があったりと、どう考えても(少なくとも我々の現実とは違う感じの)妙なウサギなのですが誰も不審に思わないのか。あの世界ではああいうウサギも普通に存在するのかな。で、エルナにキスされたらメソウサ化(byぱにぽに)かよソーロッド。初代エルナに対するアプローチは結構やってたのに、実際のちうには弱いのか。

 ソーロッドを連れ出してサシで話をするヴァル。
 「エルナをエルナスに連れて行くな」…ソーロッドの意見を要約するとこんな感じ。彼はエルナス王家とは立場が全く違う様子。とすると、エルナス王家には彼の存在は認識されていない、されるべきではないと言う事か。魔法の存在を知るエルナスなら「ソーロッド」が何者かは認識できるだろうに、それを明かせないと言うのは何事なんですかね。ソーロッドは何を企んでいるのか。
 リョートは「我らの目的は魔法の封印です」と言っている。散逸した魔法の知識も集めて封印するつもりか。だから魔法の解読をかなり進めている様子であるヴァルの存在は、エルナスにとっても大きなモノとなったのか。
 ソーロッドの目的はこの魔法の封印とは相容れないモノなのか。どういう事になるのかな。

 前後するが、リョートの魔法解説。「エルナスを建国したのは初代エルナとシャールヴィ」「彼らの目的は魔法による戦争をなくす事」「アースムンドが法王に就く」「そこで魔法禁止の命が全世界に発令される」…歴史の流れはこんなもんか。
 「魔法禁止」になってしまったから、歴史書からも魔法の事実が消し去られたんかなあ。この歴史の流れなら「昔の人間は魔法が使えた」と言う合意がありそうなもんだが、1話段階でスヴァンが「ありえんわっ!」と叫んでいたし。アレがスヴァンだけではなく普通の人間の認識なんだろうし。
 シャールヴィは「王族に魔法の強さが関係ない世の中を作ればいいんだろう」みたいな事を言ってましたね。それがいつの間にかに魔法禁止へとシフトしたのか。戦争後期の狂戦士連発っぷりのせいでしょうか。

 ともかくそうやって魔法は禁止されたが、全てを抹消した訳ではない。魔法自体に価値はあるのだから、それを失うのは惜しいと言う事で暗号化が行われて知識は保存された。…早い話が根絶した伝染病の細菌やウィルス自体は科学的名目によって保存されているのと同じ事か?
 暗号化によって保存されたのが、エルナスや修道会領に残る魔道書の原書。つまり聖修道会はその魔道書からいくらか解読して使ってるのか。エルナス側も少々解読はしてるから、リョートが魔法使ったりするのか。
 …じゃあ、ヴァルの知識は何処から来てるよって話になるよな。魔道書の原書はその2冊しかない訳だろ?リョートが疑問に思うのも当然だし、ヴァルとソーロッドの繋がりを知る読者としても疑問だよ。
 ソーロッドは何処から魔道書の原書を持ってきましたか。彼が知る知識なら、古語に翻訳する必要ないだろうし。そもそも彼に魔法の知識があるとは…魔法使えないだろうしねえ。彼が雷撃に匹敵する力を使えるのは、彼が単に雷精だからだろうし。エルナスの魔道書は手を出せない。なら修道会領の魔道書をちょいと拝借したか?でもおそらくは聖修道会も同じもん見てたりしますかね…とか思うと修道会領の魔道書の管理はもうちょっときっちりしましょうよ。
 そういやエルナスと修道会領の魔道書って、中身は一緒なのかな。それとも別の魔法が収録されているのかな。

 ヴァルはひとまずスヴァンに連絡。何だかえらい事になってますよヴァルが指名手配されてますよ。エルナを誘拐してその両親を殺害した事になってますよ。
 ってそんな大事になってるなら、どうして冒頭、エルナの友達は普通にエルナと電話で会話してたんだよ。
 それだけ大事になっている(家宅捜索入ったりしてたし)なら、前話からある程度の日数は経ってたんでしょうか。1週間は見た方がいいかな。エルナ達がすぐ動けなかった理由は何なのやら。体制を整えたりしたからか?
 ヴァルのパソコンのHDDが盗まれていた。つまり聖修道会もエルナス同様にヴァルの価値を知ったと言う事か。魔法の解読者として双方の勢力から重要視され始めたか。グードランド警察に彼らを追わせて、どさくさに紛れて確保しようと企んでいるのか。
 でも彼らが完全に警察の手に落ちたら面倒だと思うんだがな。それとも聖修道会の勢力がある程度入り込んでいるのか。
 ともあれヴァルも確実に日常から遠ざかってますな。やっぱり前回の敵に関しては、ぶった斬ってしまってたらしいしな。

 そんなこんなで列車ジャックっぽいですよ。現在の社会において魔法が何の意味があるかっつったら、やっぱりテロか。この世界の魔法って触媒とか杖とか指輪とか全く必要としないからな。呪文の知識と魔力さえあればいいからな。
 しかし上院議員と同じ列車に乗り合わせてしまうとは、偶然にも程があるような気がします。有力議員ではないのかな。普通に移動するようなレベルの人なのか。

第8話「解呪」
 解決編。微妙にページ数少ないせいもあるのか、展開速いなおい。
 単行本1冊使ったエルナ1の影法師戦を想定していたせいか、少々拍子抜けでした。普通の漫画としたらこのペースでも別に構わないんでしょうけど…「エルナ2は全5巻予定」だったと思うので、あんまりねっとり描いてたら間に合わないのかな。

 何だか使い魔法が自力で解けてますよどうしましょう。ラヴァルタの時とは大違いですよ。展開上の都合なのかもしれませんが。
 「大昔に一度だけ使い魔法が解けたことがあるそうだ」とは、やはりエルナとラヴァルタのアレなんだろうな。とするとアレ以外には解けたと言う伝承が全く伝わってないのか。そこまで厳しい魔法なのにあっさり解けたもんだなあ。
 ところで首絞められてるんですかこれ。やけに平静ですね。

 ソーロッド、剣になる。しかし昔のように雷撃の力はないらしい。
 つーかこんな風に形を取れるのに、どうして最初はこんな風にピカチュウもどきにしかなれなかったんでしょう。前作ラストで剣としての「物質」としての形を捨てた以上、一旦何らかの形を取らない限り他の物質にも変身出来ないと言う事なんでしょうか。それほどまでに手段がややこしい事になるから、前作では「最後の手段を考えなければならない」とやけに深刻ぶった事をシャールヴィに言ったのでしょうか。

 ヴァルは「人を殺すのか?俺が?」と迷っているようでした。自分はエルナを日常に引き戻す役目だと思っていたのでしょうが、結局は彼も人を殺したり殺されそうになったりと言う非日常に引きずり込まれる事になってしまいました。本人は望んでいなくとも、否応なく非日常が接触してくる。
 敵の一人を斬った…んだろうなこれ。剣を振り下ろしたが、敵がそれをかわそうとして誤って転落したと言う訳じゃないよな。
 どっちにしてもヴァルの「殺意」によって敵が死んだのには変わりない。使い魔法によって動いていたエルナの養母が倒れたのだから、敵が死んだのは明白。ヴァルにキルマーク一個ついてしまいました。これで彼も後戻り出来ない所に来てしまいましたか。

 見逃していたもうひとりの敵に撃たれそうになりますが、代わりにエストベリがヴァルを助けてその敵を射殺する。
 「味方って訳じゃないぜ。バランスを取ったまでだ」…エストベリの行動は微妙に謎ですな。どういう意味なのやら。ここでエルナ達に死なれてはこの件に関する仕事がなくなってしまうのが困るんでしょうか。それとも他の真意が?「バランス」と言うのは他の意味が?
 エストベリが介入したと言う事は、他の敵がこれを見ているって事はないんだろうな。射殺も彼が適当に報告して誤魔化すんだろうな。
 「あんたらが相手にしてんのは、神だよ」…敵に関しての具体的な情報なんでしょうか。「神」が敵とはどういう意味か。聖修道会と言う宗教団体が敵=つまり神を信じる者達が敵=神を敵に回しているも同然、てなレトリックか?
 それとも、直接的な意味か?本当に「神」(ないしは「神」と呼ばれる者)が敵と言う意味なのか?
 エストベリは宗教者ではなさそうなので直接的な意味には必ずしも取りかねるのですが、何せ魔法が現存する世界観なので直接的にも取れそうなんだよなあ。うむ。とりあえず敵は聖修道会と言う事で置いておけ。神云々はもうちょっとストーリーが進んでから考えよう。

 かくしてエルナの養父母の使い魔法は解け、妄執から解放される。エルナは彼らに向かって「ありがとう」と告げる。
 「世界が何で出来ているか判ったの。何を守らなければならないのか」「ならば同じように世界を愛しなさい。勇者エルナ」
 正直この会話が一体何を指しているのか良く判らなかったりします。エルナはこの世界は何で出来ているのか判ったのか。何だと思ったんだろう。何を守ればいいと思ったんだろう。
 この養父母と過ごした自分の安らかな生活?養父母であってもその気持ちは全部本当だったと言う生活?世界の全てはそういう数知れない家族の「安らかな生活」が折り重なる事によって保たれていると言う事か?だからそんな慎ましく日常的な安らかな生活を守ればいいと言う事か。エルナの日常を愛するように、他の人の日常も守ってやる。それを保つために戦うのだと。勇者になるのだと。そういう事か?

 ヴァルがリョートの傷を治癒魔法で治して終了。本当にたくさんの魔法を解読してるんだな。
 エルナがウサギソーロッドを「可愛い」と言って抱きしめるのはおやくそくですか。
 さて、これで一段落。次回からは新展開。それにしてもここまで1巻収録したら収まりが良かったのにな。



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